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バドミントン部コラム【 第1回 監督 佐々木 翔 】

バドミントン部コラム

2023年3月24日

S/Jリーグ2022が閉幕しました。11月の由利本荘の開幕から始まり、2月の最終戦までたくさんの方々に応援していただき感謝の気持ちでいっぱいです。

「応援をすることに誇りを持てる、応援しがいのあるチーム」

を目指して取り組んでいますが、少しでも近づいていけるよう今後も精進を重ねていきます。

11月16日から始まった毎年恒例の特別支援学校へのバドミントン教室の訪問も、今年は15校へ行かせていただきました。

また、コロナも緩和されてきたことから、北都ジュニアの活動回数も通常に近いぐらいに戻り、選手たちもこの秋からリーグと地域貢献活動を走り抜けてくれて、この頑張りをとても誇りに感じます。

雪で片道二時間半かけて学校へ移動するときもありましたが、「志を共にする運命共同体」としてやり遂げてくれて、チーム力や絆も生まれました。

今年度で競技を引退する江里口を含め、8名全員がリーグの試合に出場し、全選手が全試合で勝敗は別として、自分の力を出し切れたことはチームにとって大きな収穫であったように思います。

団体戦は独特な緊張感があります。チームのために個人が1勝を取りにいく、というのは普段の個人戦とは違い、日頃お世話になっている地域、会社、チームに恩返しができる場所でもありますが、プレッシャーがかかり逆に自分の力を出せずに終わってしまうケースもよくあります。

よく練習会や講演の際などの質疑応答で「緊張とどう付き合えばよいか?」という内容の質問がよくありますが、私なりに緊張という解釈について考えてみました。

試合は受験と一緒で、今まで取り組んできた成果を発揮する場所であり、ネガティブに捉えてしまうと試合での表現や結果が周りや自分が求めていた基準に達しなければ、今までの積み重ねや自分という人格が否定されてしまうような怖さを感じ、そういうことを判断する舞台である試合に立つことに対して不安を感じ、緊張となるのではないかと思っています。

今回も結果的には全員が全試合で力を出し切れはしましたが、試合当日を迎えるまでの精神状態には紆余曲折があり、不安や緊張を抱えながらも最後は開き直って、覚悟をもって、逃げ場のない状態でコートに立つことができました。

 

特別支援学校での生徒たちを見ていると、本当にみなさん立派です。一生懸命生きています。

できないところに目を向けるのではなく、できるところに目を向けて前を向いて、自分の人生と向き合っているように見えます。

寄宿舎での一日の生活スケジュールも見せてもらいましたが、自分の身の回りのこと、みんなで使う共用部分の掃除など、自分たちで自立することを目標に取り組んでいる姿を見て涙が出ました。

その生徒たちは私たちバドミントン部のことをどう思っているのだろう?

いつも楽しそうにバドミントンをしてくれてこちらは何か助けている気になっていたけども、エールをくれたり、励ましてくれたり、お礼の手紙をくれたりと、私たちこそ勇気をもらっているんだということに気づきました。

リーグの試合を前に緊張と不安に押しつぶされそうになっていたチームへ私はこう伝えました。

「北都の選手たちはみんなの誇りなんです。

みんな県外からやってきて、一番多感な時期に色んなものを犠牲にして競技に取り組み、練習も地域貢献もがんばって。最後の最後にここまでやってきて力を出せなかったらもったいないよ。

試合の舞台に立てただけで、もうプラスなんだから勇気もって一歩を踏み出さないともったいない。ここまで頑張ってきて、それをコートの中でやり遂げて、自分の歩んできた道は正しかったと証明してほしい」

と、チームへ伝えました。

選手はどう感じたかはわかりませんが、私自身のなかでも何か吹っ切れて、チームも少し前向きになっていったように感じました。

 

今年度をもって江里口は競技を引退し、マネージャーとしてチームを支える側になります。

小学校からずっと一緒にバドミントンをしてきた田中果帆と一緒に北都へ入ってきて、入ってきたときはまだヨネタナもいて、コロナ禍もあり、自分たちの実力差や大会に出れずに目標をなかなか立てにくく、モチベーションの維持が難しいところでも、持ち前の明るさと人柄でチームを幾度となく救ってくれました。

最後に江里口/田中で、地元九州のリーグで敗れはしましたが、初めて大会会場に見に来ていただいたご家族、お世話になった方々を前にお披露目ができてよかったです。

4月からは再春館製薬所から移籍の飯島選手が加入し、ダブルス選手として曽根とペアを組んでいく予定です。

もう1名佐賀女子高校から永渕選手が加入し、シングルスの選手となります。

この2名が加入し、2023年度は選手9名体制でスタートとなります。

秋田に来て、北都に入ってよかったなと、進路の決断が正しかったと証明できるようにサポートに励んでいこうと思っています。